公益通報者保護制度の遵守に向けた申し入れを行いました。
本日2月8日付けで京都市長に対し、表題の通りの申しれを実施致しました。受理者は田中人材政策監です。
京都市長 門川 大作 殿
平成28年2月8日
地域政党京都党市会議員団
団長 江村 理紗
公益通報者保護制度の遵守に向けた申し入れ
このたび、京都市は児童相談所の児童記録の流出を巡り、流出経路の特定のための内部調査を実施し、さらには告発をするという方針が示された。加えて、それに関連して公益通報のために記録を閲覧した職員が処分されるという異例の処分が発令された。
システム上管理が杜撰だったことについての処分は当然のことであるが、公益通報を行った職員への報復措置ととられかねない処分の発令は許されることではなく、また教育福祉委員会では処分された職員が公益通報を実施した旨を恣意的に隠して、処分事由だけが公表されたことは情報公開のあり方として問題があると言わざるをえない。
また、民間の公益通報の窓口でもある京都市の一連の対応は、京都市役所内に留まらず、公益通報制度を利用し、組織の不正を正したいと願う通報者への萎縮に繋がりかねず、社会に与える影響とそれにより発生しうるであろう損失は計り知れない。
消費者庁の公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会(第六回・平成27年12月7日開催)においても通報に対する報復を目的として通報者の詮索がなされた事例として京都市の対応を問題視されていることからもわかるように、直接的な法の保護対象でないとしても、公益通報者保護法の「法の精神」を遵守し、内部通報者の探索をすることは厳に慎むべきである。現在検討されている告発方針は即刻取り下げられたい。
ましてや、報復措置と取られかねない公益通報者への処分は、今後の公益通報制度の根幹を揺るがしかねない由々しき行為であり、行政は民間の模範となるような対応が求められる。今回の処分は早々に撤回し、今後このような処分が発令されないよう強く申し入れる。
なお、今後、積極的に公益通報者保護制度が運用されるよう適切な対応を求める。
以上