賛成討論 焼却灰について 森かれん議員(2016年5月議会)
討論
地域政党京都党市会議員団は議第134号および135号の議案に対し賛成の態度を表明しておりますので、会派を代表して討論を行います。
京都市焼却灰溶融施設プラント設備工事にかかる損害賠償訴訟の判決が下されました。京都市の請求が棄却されたことは、これまで再三にわたり抗議をし、住友重機械工業株式会社に対し2度にわたる厳しい決議を付した京都市会として非常に残念であります。日常生活の根幹となるごみ処理について、本件によって市民を不安にさせることは断固として阻止しなければなりません。また今後の結果は甚大な影響を与えかねないため、市民のみなさまにご迷惑が掛からないよう、控訴するにあたっては判決結果を徹底的に検証・分析し二審勝訴に全力で取り組んでいただくことを強く求めます。
契約解除後も未だごみ最終処分場の延命については課題が残されたままです。この問題は市民に対し「ごみ袋有料化」というご負担をお願いしている主たる要因であるのみならず現代社会における自治体の政治的課題であります。裁判への取り組みと並行して早急に手を打たなければなりませんし、最終処分場の延命に関しては「ごみの2Rの推進」「焼却灰の資源化あるいは最終処分場そのものの延命策」の両面から考える必要があります。
東部山間埋立地を延命させるためにはごみ発生抑制(リデュース)と資源の再使用(リユース)への市民理解をより一層高め、低炭素・循環型まちづくりを市民と一体になって力強く推し進める必要があります。ごみの市受け入れ量は平成26年度実績で46.1万トンですが、京プラン後期実施計画の重点プロジェクトである「市民の自主的な分別・リサイクルを促進する仕組みの拡充・強化」、「ピーク時からの食品ロス半減に向けた2Rの推進」などにより、平成32年度ごみ市受け入れ量39万トンを必ず達成しなければなりません。
焼却灰の資源化や最終処分場の延命についても、焼却灰セメント原料化や溶融スラグ化などの新たな焼却灰の資源化に向けての取り組み、焼却灰から鉄分を回収し埋蔵処分量を削減する方法など、日々進歩する技術ならびに各延命策の効果と費用のバランスを十分に検討していただき早期に長期活用計画を策定するよう要望いたします。
京都市廃棄物減量等推進審議会の「東部山間埋立地の延命策の在り方についての答申」を踏まえ、時機を逃さぬようありとあらゆる可能性の検討し、具体策を積極的に策定することで、京都市にとってより良い環境政策を推進することと、重ねて本訴訟につきましては二審勝訴に全力で取り組んでいただくことを強く求めまして討論といたします。