反対討論 京都駅東部エリア活性化将来構想検討委員会設置について 村山祥栄議員(2018年5月議会
京都党は議69号、京都駅東部エリア化活性化将来構想検討委員会の設置について反対しておりますので、討論を致します。
問題は2点です。
一点は、計画策定の順番が逆だということです。
本来、計画というものは、都市計画に限らず、全体の計画、つまり大きな計画があって、それに紐づいて小さな計画があります。京都市でいえば、京都市基本構想があり、それに基づいて基本計画があり、その下に分野別計画があるといった具合です。
しかし、今回の計画は、地域の全体計画である東部エリア活性化将来構想よりも、京都市立芸術大学移転整備基本構想が先に来ています。計画立案のセオリーに基づいて考えるならば、東部エリアの計画を策定した上で、芸大移転が検討されるべきです。その上で、この地に移転すべきかどうか、また移転させるならば、どの場所が適当か検討するべきです。逆のことがあるとすれば、東部エリアの地域の在り方よりも芸大移転の方が重要だということに他なりません。地域をおざなりにし、順序が逆転した、強引な進め方に異議を唱えるものです。
もう一点は、当該エリアの計画策定にあたっては条例に「文化芸術を基軸にしたまちづくり」が前提になっておりますが、いつからこのエリアが文化芸術を基軸にしたまちづくりになったのでしょうか。京都市都市計画マスタープランによると京都駅周辺は「商業・業務機能の立地誘導、多様な都市機能の集積を図るエリア」となっております。崇仁の将来ビジョンでも「京都駅に集散する様々な人々との交流を通じて新しい価値を創造し市民や訪問者、事業者等でにぎわう京都の新しい街づくりのモデル地区となることがふさわしい」とあるだけで、文化芸術を基軸にするという観点はありません。
それが、突如芸大移転の話と共に、文化芸術が前に出てきます。文化芸術も含めて結構ですが、ありとあらゆる観点から地域の活性化を検討すべきだと存じます。
そもそも、門川市政は文化を基軸としたまちづくりというキャッチがいつの間にか強く主張されるようになっておりますが、京都市基本計画「みやこプラン」で文化は重要戦略のひとつに過ぎず、なぜ「文化」だけが突出して前に出てきているのかもわかりません。市長の思いはわかりますが、基本計画をはじめとした計画に忠実に基づいて進めて頂かねば、策定した意味がありません。ほとんどの計画は議決案件になっておらず、議会の承認を得る議案として提出される頃には計画が実行に移る段階に入ってです。計画は適正に順を追って策定し、市民の代表たる議会の意見を十二分に考慮しながらしっかり進めて頂きたいと存じます。
以上、反対討論といたします。