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代表質問 村山祥栄議員(2018年9月議会)

さて、私は京都市の交通政策について質問させて頂きます。
近年、京都市は観光客の増加と団体旅行から個人旅行への変化に伴い、交通渋滞とバスの混雑が大きな問題となっております。
そもそも現在の京都市交通網は、140万人台の市民と3000万人台の観光客の時代にそれを想定して作られたものです。観光客が今日の様に公共交通機関を駆使して旅行をするという事も当然予定外のことと存じます。
京都市は、近年の乗降客の動向を踏まえ一定の対応は頂いておりますが、まだまだ増える観光客を考えれば、京都市交通が限界を迎えるのは当然の結果といえます。

財政が厳しい中、この難局をどう乗り切るか、大変難しい問題です。

私は、かねてからこの課題が将来的に発生するであろうと、数年前から世界中の交通政策の研究を重ねて参りました。
結論から申し上げます。
今、京都市に必要なのは京都駅を起点にした大型輸送の環状線の建設です。
日本一乗降客数の多い205系統ルートをベースに五条、河原町、出町柳、北大路、北野白梅町、円町、西大路、西院などを結びます。現行の駅とは連絡通路で結び、結節力を高めます。こうすれば、京都市内にある鉄軌道は全ての路線と連動することが出来、市内の輸送環境を大幅に改善します。路面、高架等も検討しましたが、道路面積がとりわけ少なく現行の道路に軌道を確保することは困難であることや高架化による景観上の課題を考慮すると、京都市の場合、地下空間を使うべきだというのが結論です。
「それが出来るならやっている」と言われそうですが、そう言われるほどに難しいのはコスト、すなわち建設費の問題です。
地下鉄建設は、東西線を建設した時代に比べると大幅にコストダウンが進んでおりますが、とはいえ、地下鉄建設となると莫大な予算が求められます。当然京都党としては、これまでのような莫大な建設コストを投じた地下鉄建設を提案するものではありません。
そこで、京都党は、市民のご負担を極限まで抑えた地下の自動運転シャトルのご提案致します。
まず、地下鉄の建設予算の中で大きな割合を占める駅舎の建設についてですが、極限まで簡素化させて建設します。

駅は、原則、無人、改札なしでICカード受付機のみ、トイレもなし、配管むき出し、打ちっぱなしままで、タイル張りなどの装飾は原則行わず、少し殺風景ともいえる建造物に留めます。イメージは地下にあるバス停です。
改札については、定期的な検札と厳しいペナルティーで対処する欧米方式を採用します。なぜなら、無賃乗車を防ぐための改札口設置・運営コストが、無賃乗車によって損なわれる利益を上回るからです。また、券売機等も設置せず、乗車は全てICカードまたは電子決済のみにし、低コスト化を進めます。
建設時に掘削機を下す立坑は、そのまま駅に利用をし、駅舎の建設を最小限に留めます。これで通常一駅約50億円と言われる駅舎建設を10~15億円に大幅に圧縮することが可能です。
次に軌道にあたる部分ですが、シールド工法の技術は年々進化しており、東西線時代の建設単価に比べると、近年の地下鉄はコストが半分近くまで下がってきております。さらにダウンサイジングを進め、5M口径というかなり小型のトンネルをシールド工法で掘り進めます。実は、6M口径のトンネルは既に水道局が水道管として導入済みです。5M口径であれば、水道管の敷設コスト並みでトンネルを掘り進めることができます。また、そこには電気軌道を敷設せず、完全自動運転の電気シャトルを走らせます。もちろん、専用軌道なので、バスのような遅延もありません。バスの最大経費である運転手が不要なので、利益確保も容易です。トラブル発生時の対応など課題もありますが、いずれにせよ、経費が極限まで圧縮されるので、経常損益は十分黒字を確保できるはずです。
何より返済計画がかなり立て易く事業化しやすいのではないかと考えております。さらに、駅舎建設については、市長の得意のネーミングライツを導入。駅名、駅舎ごとネーミングライツの対象にし、建設費を捻出します。国の地下鉄補助が認められれば、三分の一は国負担になり、費用負担は更に軽減されます。
さらに、民間企業にも資本参入を促し、事業会社として出発できれば、更なる市の負担を軽減することができます。私共の試算では返済年数や金利にもよりますが、返済原資は宿泊税の税収を充てることで市民の税金0で建設できる可能性もあると考えています。

最後に拠点についてですが、この輸送手段の根本的な考え方は、市内のどこからでも、どの路線からでも京都駅にアクセスできるということです。従って拠点駅になるのは京都駅でなければ意味がありません。しかし、残念ながら、京都駅地下部分に環状線の拠点を建設するのは困難です。幸い、少し離れた崇仁エリアには広大な市有地があり、工事ヤードや駅舎の建設も十分出来る土地があります。崇仁エリアまでなら、動く歩道で接続させ、そこに新京都駅を建設します。これこそ駅前特性を最大限に生かせる土地活用であり、新交通も最も有効に機能するのではないでしょうか。
 是非、積極的にご検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

次に、新環状線構想の実現には数年の年月を要しますが、観光客の増加はまったなしです。当面の増加する観光客への対策はバスの生活路線と観光路線の分離です。現在、その一環として洛バスが走っておりますが、洛バスへの問題は、観光地を結ぶこと以外に、観光客の観光路線への誘導といった視点が欠けております。ここは宿泊税を原資に思い切って観光路線は100円にし、観光客を観光路線に誘導する、または、観光客対象に観光路線と地下鉄の周遊チケットを廉価で発売するなど導線を作る必要があります。もちろん、このバスは京都市が提唱する通り、大型荷物棚完備、外国語案内付きです。混雑を覚悟すればもちろん市民も100円で観光路線に乗車できることを付記しておきたいと思います。こうして、市民の生活路線への観光客の流入を抑え、市民の足を守るべきと考えますがいかがでしょうか。

次に市立芸大と西京についてです。
我々は、芸大そのものを非難するものでも、軽視するものでもなく、ただ京都市と共に今後の発展を期待するものです。
さて、現在、京都市立芸大が位置する洛西ニュータウンは京都市が地下鉄延伸を前提として開発した初めての大規模団地です。
そこへ故・梅原猛先生の驚異的な情熱で、芸大のニュータウン移転が実現し、ニュータウンのシンボルとなりました。
洛西ニュータウンの最盛期の人口は、36228人でしたが、現在は、22000人台に減少、ニュータウン内の小学校の児童数は軒並みピーク時の8割減、衰退傾向は顕著、かつその傾向には歯止めが掛からない状況になっています。
そんなニュータウンに対して、京都市が行ったことは地下鉄延伸断念の決定、そして今回は芸大の移転です。京都市の方針はニュータウンをゴーストタウン化することなのでしょうか。少なくとも住民の皆さんにはそのようにしか思えないのではないでしょうか。
洛西ニュータウンについての見解をまず伺います。まさか見捨てるとはお答えにならないと思いますので、その上で、ひとつご提案致します。
ニュータウンの活性化については、もはや小手先の賑わいづくりなどで解決できる状況ではありません。このニュータウンの課題は、地下鉄延伸断念からくると「交通アクセス」です。しかし、今更地下鉄延伸が出来ないこともよく理解しております。
そこで、新駅に沸くJR桂川駅、阪急洛西口と洛西NTをつなぐBRTの導入を提案します。このルートについては「京都の街の活力を高める公共交通検討会」でもケーススタディで検討されておりますように大いに期待できる路線です。BRT、バスラビッドトランジットはバス高速輸送システムと呼ばれる新世代交通システムです。
駅を作り、道路上に専用軌道を設置し、そこに大型バスを走らせます。
専用軌道を確保することで、路面電車よりも遙かに低コストで、路面電車並みの定時走行を実現させることが出来ます。
BRTの大きなポイントは「駅」を作るということです。新駅の設置は、その周辺の不動産価格を引き上げ、民間資本が流入する大きなきっかけになるものです。駅という装置の果たす役割は、洛西口駅や桂川駅を見て頂ければよく分かります。
そして駅が出来れば、民間資本が新たに流入し、民間活力を生かした街の再生が実現します。現在の洛西ニュータウンを行政が資本を投下して再生しようとしても莫大なコストだけが浪費され、再生の目途を立てるのは困難です。重要なことは、いかにの民間活力で街の再生を成し遂げるかです。こうした考え方こそ、持続可能な都市づくり、つまりレジリエントシティの目指すべき都市経営ではないでしょうか。
また、BRT建設・運営についても京都市が主体となって行うのもいいですが、民間との合同出資で事業会社を作るか、または公募で民間に事業化してもらうことも視野に入れ検討されることをご提案します。洛西ニュータウンの住人にとって、待ったなしの課題です。まずは、調査費を計上し、検討を頂きたいと考えますが如何でしょうか。

最後に、市バスの管理の受委託についてです。
先日から委託先の京阪バスの撤退表明以来、交通局は窮地に立たされております。運転手不足に伴う撤退であることが主たる理由に挙げられておりますが、実際は、官民格差が小さくなり、管理の受委託制度そのものが行き詰まりを見せているというのが実態ではないでしょうか。今後も民間がペイできるだけの委託費を支払わない限り、撤退は更に拡大する可能性は否めません。この状況下で、安易に撤退分を直営に戻すことが、本当に正しい選択なのでしょうか。
場合によっては、直営並みのコストを拠出しても、また一時的に採用の為の受委託引き受け準備金などを民間事業者に支払ってでも、しばらくの間は受委託を進めるという選択肢もあったのではないかと考えます。
また、これまで周辺部を民間に路線移譲してきたように、路線そのものの民間移譲するという選択肢もあるのではないでしょうか。民間移行に伴う減便のリスクもないわけではありませんが、黒字路線とのセットであれば十分検討の余地はあると思われますし、部分的に補助金を出しても直営で維持するよりコストは掛からない可能性もあります。そういったコスト分析をせず、ひとまず直営という選択には疑問を感じざるを得ません。
すでに、全国的に公共交通は、民間への移行を進めています。近畿圏で市営交通があるのは高槻市、神戸市、京都市ぐらいのもので、大阪もご存じのとおり民営化へ舵を切りました。政令指定都市の大半も市営バスは撤退しています。こうした時流も考慮し、今後の公共交通を考えるべきではないでしょうか。
この点について、どういった検討の上に直営方式の拡大という選択をされたのかお答えください。また、今後の公営交通の在り方をどう考えておられるか、見解を求めます。
以上、4つの視点で、京都市交通についてご答弁をお願い致します。

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