代表質問 大津裕太議員(2020年5月議会)
代表質問 大津裕太議員(2020年5月市会)
中京区選出の大津裕太です。地域政党京都党市会議員団を代表して市政一般について質問致します。
この間、新型コロナウイルス感染症拡大により、尊い命を落とされた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。そして、医療現場をはじめ、感染症対策の最前線で日夜対応に奔走いただいております官民問わず全ての皆様に感謝申し上げます。また、緊急事態宣言及び休業要請や自粛要請により、市民及び事業様に置かれましては、多大なるご協力を賜りましたことを感謝申し上げるとともに、経済的・精神的に大変なご負担をお掛けしましたこと、大変心苦しく思っております。
そんな中、特別定額給付金の給付が遅い、休業補償の金額が少ない、京都市の情報発信が少ない等の多くのお声が市民の皆様から上がっておりますこと、京都党市会議員団としても、大変重く受け止めております。引き続き、市民の皆様のお声をしっかりと議会と行政に届け、出来得る限りの対応を最優先で行って参ります。
今回の代表質問でも、コロナ対策の現状と今後に関しての質問を致します。市長をはじめ各局に置かれましては、この間、各会派からの要望を柔軟に取り入れた取り組みをして頂いていると感じております。引き続き、柔軟でスピード感のある対応をお願いしたいと思います。
【コロナ対策の財源捻出について】
それでは、最初に、コロナ対策の財源に対しての質問を行います。本市は大変厳しい財政状況であることから、コロナ対策の予算が十分財源確保できないのではないかという懸念がございます。本来、まさにこのタイミングで取り崩すべき財政調整基金は枯渇しており、本年度の当初予算でも特別の財源対策が193億円にものぼりますから、追加で予算を計上する財源を一般財源から捻出することは困難を極めます。
また、市債発行に関しては、地方債は原則的に建設地方債しか発行が認められていないことから、コロナ対策で必要としている歳出に対しての発行は難しいと財政課も明言しております。これはこれで、国にも特別に市債の発行を認めるように要望もしていただきたいと思いますが、目下の確実な財源にはなりません。
国からの支援は、地方創生臨時交付金を使うことができます。当初22億円~23億円と想定していたものが、31.6億円まで増えたこともあり、4月補正・5月補正で活用しても10億円ほど残る計算となります。
しかし、引き続きの感染拡大対策や医療崩壊の防止、市民・事業者の経済的支援、子どもたちの教育環境の整備などを行っていくことを考えると、10億円では全く足りないと考えます。
残る方法は、当初予算の中で優先順位をつけ、既存事業の見直しにより減額補正をして財源を捻出することです。既に、中止になったイベントをはじめ見直しをされていると認識しておりますが、以前確認した際には、捻出できそうな財源は数億円規模だったこと、直近に至っても金額規模の明言を避けておられることを鑑みると、もっと大胆な事業見直しが必要であり、また、スピード感も足りません。
いずれの事業も、基本的に不要なものはないと思いますが、不急なものはあります。また、不急でなくても、コロナ対策と天秤をかけて、優先順位の劣る事業はまだまだあると考えます。一例をあげると、観光振興予算、環境啓発予算、文化振興予算、不急の工事などがこれに当たるのではないでしょうか。
過日の総務消防委員会では、財政当局より、市税収入をはじめとした歳入減も心配していることから、事業の見直しで生まれた財源を使えるかどうかわからないと答弁がありました。しかし、市長は日頃、「市税収入を増やしても、増収に伴って地方交付税が減らされる」と仰っていますが、今回は、その逆であり、市税収入が減っても、大半が地方交付税で補填されます。当然、補填されない宿泊税の減収や地下鉄・バスの減収など、多大な影響があることは間違いありませんが、トータルでの減収見込み額を早急に計算し、だからこそ、既存事業の見直しは、大胆に行っていただきたいと思います。
そこで市長にお聞きします。コロナ対策に必要な財源はどの程度と考えておられ、事業の見直しによる財源捻出をどのように行っていく覚悟があるか、また、それ以外に何か方法を考えておられるかを答弁いただきたいと思います。ここまでを第1質問とします。
【市民生活への経済的支援について】
次に、市民生活への経済的支援についての質問を行います。緊急事態宣言に伴う休業要請と自粛要請により、市民生活は大変疲弊しております。私のもとにも、今月・来月の生活も見通せないという声もたくさん届いております。
まず、市民が期待したのが、国からの全国民に一律10万円を給付する特別定額給付金です。様々な事情はあるのでしょうが、本市の給付スケジュールは他都市よりも遅く、市民より大変多くのお叱りの声が届いています。他都市では5月頭からオンライン申請を受け付けているのに京都市はなぜ2週間も遅れるのか、他都市では書式をホームページからダウンロードして申請できるのに京都市はなぜ郵送を待たなければいけないのか、など、市民から見たら当然の疑問がたくさん寄せられています。市長には、これらにしっかり説明責任を果たしていただく必要があります。給付に向けては、既に人員の増強などの対策をとられており、給付スケジュールも一部前倒しができ始めていますので、このような取組をさらに強化し、1日も早く給付できるよう市長に強く要望いたします。
また、緊急小口資金や総合支援資金の特例貸付を利用しようとすると、こちらも申請が殺到していることもあり、実際に手元にお金が届くまでかなり時間が掛かります。本制度は、生計維持に緊急にお金を必要としている方を対象にしている制度の趣旨を考えると一刻も早い貸付をしなければならないものであり、早急に改善が必要です。人員の一時的な増強などの対策が必要ではないでしょうか。
既に、納税の猶予や国民健康保険の減免、住宅確保給付金など、様々な支援を打ち出しておりますが、更なる支援を求める声も多くあります。特に、他都市で実施されている水道料金の減免は、求める声も多く、是非実現して頂きたいと考えております。
そこで、改めて市長にお尋ねします。緊急小口資金、総合支援資金の給付や貸付のスケジュールの短縮に対してのお考えと水道料金減免に対するお考えをお聞かせ下さい。
【事業者への経済的支援について】
続きまして、事業者の経済的支援についてです。京都府は、休業要請に対する経済的な支援が法人20万円・個人事業10万円と、隣接の大阪府や兵庫県が法人100万円・個人事業主50万円に比べると大変少なくなっております。また、京都府下のほとんどの市町村が京都府の休業要請支援給付金に上乗せをする形で給付金額を増額しておりますが、京都市はこの独自の上乗せも行われておりません。
一方で、休業支援金は、対象業種が限られることから、業種の裾野を広げて、困っておられる事業主に支援するという趣旨で、休業支援金の代わりに全業種を対象とした中小企業向けの支援補助金を4月補正予算で計上したことは、支出を伴う補助金ではなく給付金にして欲しいなどの声もあり、賛否はありますが、良い取組みだと考えております。また、5月補正で提案されているように、障害者就労継続支援B型事業所が雇用調整助成金の対象外なことから独自に支援する取り組みは、大変素晴らしいと強く賛同しております。
ただ、京都府の休業支援金の予算は38億円であることから、京都市が仮に同額の上乗せ支援をしていたとしたら、人口規模などを考えると30億円弱の予算になったと推察されます。しかし、京都市の補助金の予算額は10億円であることから、休業支援金の代わりということであれば、予算規模が小さいと言わざるを得ません。
結果、予算上限を上回る申し込みが想定されたことで、申込期間が5日間という異例の短期間になり、市民からの「気づかない間に申請期間が終わることを狙っているのでは?」などという本来意図していない批判を受けるに至っています。また、京都市だけが、休業支援金が少なく、京都市で事業をしているものだけ損だという声がたくさん上がってきているわけです。京都府下の他都市や全国の政令市と比べて、京都市の支援は少ないという状況の解消が必要です。
休業支援金という形にこだわる必要はございませんし、中小企業等緊急支援補助金の予算の積み増しも含め、少なくともあと20億円程度は何かしらの中小企業の経済的支援に予算を計上すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
なお、5月市会でも追加の支援策は提案されていることは理解しておりますが、例えば、飲食店のデリバリー支援は、他都市も休業支援金と別でそれぞれ実施されている事業であることもお含み置きいただいた上で、答弁いただきたいと思います。
また、非常事態宣言が解除され、経済活動が再開されたとしても、新たな感染拡大を防ぐためには、引き続き、市民や事業者には三密の回避やテレワークにご協力いただく必要があります。そこで、他都市でも先行事例がありますが、自宅でのテレワークで不便を感じている方や、職場に通えなくなっている方などの支援として、また観光やイベントの自粛により大きな影響を受けている宿泊業の方々の支援のためにも、市内宿泊施設でのテレワークプランを割引料金で利用できる制度を創設することを要望致しますので、ご検討をお願いします。
【子ども達への学習及び生活支援について】
最後に、子ども達への学習及び生活支援についてです。3月の学校休校措置以降、約3カ月間、義務教育が止まりましたが、休校期間中も登校日が設定でき、緊急事態宣言解除後は学校再開の目処がつき始めました。まだまだ、感染リスクに対する保護者の意見も分かれているところですので、十分な感染予防対策を講じていただきながら再開の道筋をつけていただきたいと思います。ただ、専門家の見解では、新型コロナウィルス感染症は、今後も第2波、第3波が発生する可能性が否定できず、再び、休校措置が必要になる可能性も十分あります。
今後、再び休校措置になった際は、今回の経験を活かし、教育活動がストップしないよう、また、子ども達の生活のケアができるようにしていかなければなりません。今回は、突然の休校ということもあり現場も混乱されていて仕方なかった面もあると思いますが、特にGW明けまでの対応は、各学校・各先生任せの点が多く、対応に差がでてしまったのではないでしょうか。また、教育委員会にこの点確認した際も、家庭で責任をもってみてもらうという発言に終始しておられ、大変危機感を感じました。ご家庭の状況によって、子どもの学習の支援ができるご家庭とできないご家庭があります。教育委員会として休校中の義務教育をどうするかということに対する向き合い方が足りなかったように感じます。
ただ、KBS京都で小学校高学年及び中学生への学習番組が始まり、それが小学校低学年に広がったこと、GW明け以降は、統一的に課題のやり取りが学校と行われることになったことなど、前に進んでいると感じております。また、市立高校でオンライン授業がはじまる予定であり、小中学校でもオンライン授業環境の整備として、5月補正で端末の購入などの施策が行われること、大変期待しております。
そして、休校期間中、家庭と外部の関りが遮断されることで、家庭内虐待や子ども達の精神衛生の悪化も起こっていると推察されます。担任の先生から、電話等での保護者や子ども達とのコミュニケーションもとられていましたが、課題も多いのではないかと思います。
そこで、お尋ねします。今後、やむを得ず休校措置を取らざるを得ない状況になった場合、今回購入した端末の活用も含め、オンライン授業の在り方や分散登校の在り方、休校時の子ども達とのコミュニケーションの在り方など、子ども達や保護者への支援はどのようなことができるでしょうか?本年度中ならどうか、来年度ならどうか、この3カ月の経験も踏まえ、ご説明下さい。
これで、質問は終わりますが、最後に改めて一言申し上げます。この数カ月で、半年前には誰も想像していなかった多くの困難が現実の問題となり、様々な点で困っておられる市民の皆様が多くいると存じます。こういう時こそ、行政や政治が、しっかり舵取りをしなければいけないとお考えの方が多いと思います。今、支援を求めるお声、お叱りのお声、多くの声があがっています。一つ一つのお声を真摯に受け止め、説明責任を果たし、改めるべきところは改めて参りますことお約束申し上げ、代表質問と致します。
ご清聴、誠にありがとうございました。