令和2年度一般会計補正予算賛成討論
地域政党京都党市会議員団は、議第60号および67号令和2年度一般会計補正予算に賛成しておりますので、会派を代表して討論を行います。
今回の補正予算については新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し医療・検査体制の更なる充実や市民生活や京都経済の下支えのための事業などを行うものであり、極めて重要であると認識しております。そのため、予算については賛成するものの多くの有識者が第2波、第3波がやってくると指摘されていることからも、今後の予算編成の在り方も含め会派として2点の意見を申し述べます。
1点目は今回の補正予算の財源と支援についてです。4月・5月補正で行われる事業のほぼ全てが国からの交付金であり、京都市独自の財源から捻出されていないということについては疑義を感じます。さらに5月議会において減額補正については、数億円程度行う予定だったものが、4500万円とボリュームダウンしているだけでなく、新型コロナウイルス感染拡大に伴う税収減の見込みもつかめていない、基金の精査もできていないと、今後の財源についても大きく不安が残ります。我が会派が再三求めて参りました特別の財源対策から脱却できていないことが最大の要因でありますが、この危機的な状況において不要不急のイベントや啓発事業の見直しはもちろんのこと、予算の組み換えにより徹底的な費用の捻出をするこという努力が少なすぎるのではと感じます。第2波に備えた医療体制の拡充や経済政策は今後も不可欠であります。そのすべてを国からの支援だけに頼るということは都市経営を行う上で極めて脆弱であるため、今後はより一層の費用捻出にご尽力いただくことを強く求めます。
加えて、事業者に対する支援において特定の業種、分野に傾斜しているという点も指摘いたします。京都市の強みである観光や文化、伝統産業について行政が支援をしていくことは必要なことかもしれませんが、コロナ禍によってありとあらゆる業種や分野の方が大変なご苦労をされている中で、特定の分野に手厚い支援をするということは不公平感が否めません。経済対策を打つ上で、本当に支援を求めている方にその支援が行き届いているかは引き続き検証が必要です。その情報収集をしっかりと行った上で新たな対策を講じていただき、全ての事業者、そして市民に対して、公平・公正に支援を行っていくことを強く求めます。
2点目は、緊急事態宣言解除後において必要な対策についてであります。感染拡大を抑え込むことこそ、京都市147万市民の尊い命と生活、地域経済を守る最善策であります。この点においては何より早めの対策と今以上の備えが必要です。活動再開をされる商業施設等に対して行動マニュアルを作成することや府外からの往来増加に備えた主要駅へのサーモグラフィーの設置、PCR検査キットを独自購入し検査機関で活用することなど緊急事態宣言が解除されたとはいえ必要かつ有効的な施策を積極的に打つことも重要です。今回の補正予算においては、市民の多くの声を一定に取り入れていただいた内容となっていますが、引き続きありとあらゆる見地や先行事例等も組み合わせていただいて施策を打っていただきたいと存じます。
結びに、これまで今回の補正予算について会派の考えを申し述べてまいりましたが、いずれにしても、本予算の執行に当たっては、より市民にとって効果的なものとなるよう取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、討論とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。