5月議会を振り返って
京都市の抱える財政難が、自治体としての緊急対応の脆弱さを浮き彫りにしたコロナ不況。
お隣の大阪や兵庫では休業要請協力金を100万円となっているところ、京都市では20万円に留まり、財源捻出に向け拍車をかけるべく議員も報酬削減を実施し、コロナ対策の強化を図っているものの、“お金がないために対応できない”、“国のお金が下りるまで動けない”の連続です。これまで全国屈指の財政難を克服すべく、再三に渡り議会で戦ってきた立場であるだけに、大変歯がゆい気持ちで5月議会に挑みました。
京都党は財政再建を謳っているのに、コロナ対策では積極財政派なのだと思う方もいらっしゃるかもしれません。これは簡単なことで、「コロナ対策>財政規律>見直しを求めている事業」という優先順位だからです。
この間、コロナ対策で、3月補正(2月追加補正)、4月補正、5月補正と3回の補正予算が計上され、多くの支援策が打ち出されてきました。しかし、その財源は、ほぼ全てが国からコロナ対策で分配されたお金です。京都市が自ら生み出したのは、中止になったイベントなどの予算の見直し分の4500万円だけというのが現状です。結局、コロナ禍前にたてられた既定予算の見直しが全く行われておりません。3月補正の時点からコロナ対策を最優先事項とし、予算の組み直しを求めているものの、京都市の回答は「国に更なる支援を求める」と言うものでした。結局のところ、限りある財源の中で優先順位を決めていく自治体経営の感覚が鈍く、長年に渡り財政再建をできてこなかった体制を物語っています。
京都では5月21日に緊急事態宣言が解除されたものの、治療薬やワクチンがない状況下で今後も新型コロナウイルス感染者は発生し、感染リスクの不安が付きまといながらの生活が続いていきます。第二波、第三波の感染拡大に備え、PCR検査と抗原検査で感染経路を特定し、食い止めること、抗体検査で京都の感染状況を把握すること、コロナ不況の支援に向けた費用捻出を行い、今春の支援メニューの検証を踏まえ状況に応じた支援策の検討することなど、先を見据え対策を求めております。コロナ禍は長期戦です。教育のオンライン授業導入や防災の宿泊所避難などはもちろんのこと、学び方、働き方など行政サービスと深く関わる生活様式の変化にも対応すべく次なるステップに向け取り組んでまいります。
京都党市会議員団 団長 江村理紗