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補正予算についての討論(令和3年2月)

地域政党京都党市会議員団は、議第181号から191号、201号及び206号から208号の令和2年度一般会計予算他14件の議案には賛成を、議202号から204号市立芸術大学新築工事請負契約に関わる3件の議案には反対の態度を表明しておりますので、議員団を代表して討論致します。

本補正予算では、医療機関・福祉施設への引き続きの支援、京都市立病院をはじめ各公共交通機関への財政支援、緊急事態宣言での営業時間の短縮にご協力下さった飲食店への協力金、中小企業の資金繰り支援としての融資預託金の増額など、コロナ禍で大きな打撃を受けている事業者に対しての支援が多く含まれており、大変重要な予算であります。引き続き、感染拡大防止と経済活動の両輪をバランスを取りながらまわすかじ取りが肝要です。第1分科会で行財政局から前向きな答弁がございましたが、既に支援が手厚い飲食店以外に対する業種を限定しない幅広い支援も早急に検討いただき、具体案の提示をお願い致します。

また、国の財源を活かした道路・橋梁・河川・公園の防災・減災対策や鉄道施設の安全対策に関わる補正予算は、コロナ禍や財政危機の状況下においても市民の生命と財産を守るために必要な予算であります。無駄がないかの精査を常に行って頂きながら、引き続き積極的に進めていただければと思います。

そして、補正予算の財源に関しては、税収の大幅な減少や予定外の支出が度重なる中で、減額補正を年間で116億円実施するなどの努力により、当初予算を超えるような公債償還基金の取り崩しを行うことなく、また国からの臨時交付金のうち約30億円を温存し、令和3年度に繰り越して年度末を迎えられることは大変評価しております。ワクチン接種などにより、コロナ禍の収束を心から祈りますが、現実的には来年度もコロナ禍の影響は継続する可能性は十分にありますことから、引き続き、財政危機をコロナ対策を両睨みしながら、柔軟な対応を期待しております。

以上、補正予算案に対する賛成討論です。

引き続き、市立芸大新築工事請負契約対しての反対討論を行います。

本市は財政破綻を回避するため、わが会派も、財政的な見通しが定まるまで巨額の投資が必要な公共工事については、本芸大移転工事も含め、全て、凍結を求めているところですが、昨年の9月議会以来、全庁をあげて全ての歳入歳出を聖域なく見直すという市長の強い決意のもと、財政健全化の取り組みが始まりました。しかし、その中で市立芸大の移転だけは、他の事業の精査を行う前に別枠で早々に事業継続を決定されました。

本事業は、総事業費269億円と今後予定されている投資的経費の中でも特に巨額な上、国からの補助金もないため、大変大きな財政負担を伴います。財政破綻の可能性すらある財政健全化の取り組みの中で、これほどの巨額の工事を別枠で事業継続を決めるには、相応の説明が議会及び市民になされなければなりません。また、直近の公共工事では、当初計画から総工費がどんどん膨れ上がるケースが度々あり、市立芸大の整備も269億円で済むのか大変疑問です。

文化を基軸としたまちづくり、文化によって社会・経済を活性化などのコンセプトは理解できますが、そのプロセスは、芸大移転により交流人口が増え企業が流入し経済が活性化されるとの説明に終始し、それ以上の具体的なことは答弁がなく、実現可能性に強い疑義があります。

過去にも指摘しておりますが、市立芸大の関係者は約1,000人です。京都大学や同支社大学で約2万人、立命館大学や龍谷大学で約1万9,000人、京都産業大学で1万3,000人ほどの学生数であり、大学と言っても関係者数は1桁少なく、芸大移転自体による直接の交流人口の増加はあまり期待できません。

そうであれば、どのように交流人口を増やしていくのか、どの程度まで増えることを想定しているのか、どのような理由でどのような企業がどの程度流入してくるのか、そのための仕掛けは何か、経済効果はどの程度か、税収にはどの程度寄与するか、こういった情報が議論には不可欠ですが、具体的なことは委員会でも答弁がありませんでした。芸大移転に関しては、平成29年には既に財源がないということを行財政局も答弁しており、コロナ禍の影響で突然、財源をどうするかについて検討が必要になったわけではありません。移転が必要な根拠や経済効果を検討する時間は十分にあったにも関わらず、説明責任が果たされておりません。また、経済効果に関する資料は補正予算の審議中に提出すると答弁がありましたが、議決には間に合わない等、正確な判断ができません。

現在の京都市の財政破綻の危険がある中、またコロナ禍で様々な対策や支援が求められる中、このような曖昧な事業計画に対して、別枠で巨額の投資をする判断はとてもできる状態ではないため、反対します。

以上が芸術大学新築請負工事契約案に対する反対討論です。ご清聴ありがとうございました。

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