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代表質問 神谷修平議員(2022年2月議会)

下京区選出の神谷修平です。地域政党京都党市会議員団を代表して、大津裕太議員に引き続き質疑いたします。

まず冒頭に、新型コロナウイルス感染症と最前線で向き合っておられます医療従事者の皆様、保健所関係者の皆様、そして自粛や感染対策にご協力をいただいております市民の皆様に心より感謝申し上げます。

それでは質疑に入ります。

令和4年度の本市の一般財源収入は、コロナ禍の影響により、当初リーマンショック並みに減少すると危惧されていましたが、その減少幅は回避でき、国の地方財政対策もあり、前年度予算から56億円増の4415億円を見込んでおります。まだまだ不透明な状況が続くものの、令和元年度の一般財源収入に近い水準を確保できる見込みとなりました。しかし、想定していたよりも収入を確保できる兆しがあるとはいえ、本市の令和4年度予算案における実質的な赤字額は 117 億円であり、この赤字を補てんするための56億円の公債償還基金の計画外の取崩しや、44億円の行政改革推進債、17億円の調整債の発行という将来世代への負担の先送りとなる禁じ手の使用からは脱却できておりません。本市財政はまだまだ予断を許さない状況であります。そこでまず、これらの禁じ手の中の、調整債ついてお聞きいたします。この調整債というのは、法人住民税法人税割の税率引下げなどに伴い減収が生じる都道府県・市町村に対し、建設地方債の特例債として措置されるものです。ぜいりつ減によるぜいしゅう減を補填するものではありますが、その趣旨は税収の不足分を補うものであることから、都市の成長戦略等で法人税収が増加し始める局面では、発行すべきものではありません。昨年、一昨年と新型コロナの影響があり法人税収が減収している中での発行は妥当だと考えられますが、今年は税収が上がっているにもかかわらず発行されることに疑問を覚えます。本市として、今後法人税収を増加させていく計画の中で、発行し続けることは適切ではないのではないでしょうか。本市は、調整債という新たな借金に手を出すことで、さらに将来へ問題を先送りしているに過ぎません。本当に次年度以降も、禁じ手である調整債を発行し続ける予定なのでしょうか。お答えください。

次に、公債償還基金残高に関してでありますが、現状の試算では令和7年度の残高は1,335 億円となるとされています。しかし、令和7年度の本来あるべき公債償還基金の残高というのは2, 508億円であり、このままでは、ほぼ半分にあたる約1200億円の基金を取り崩している状態になります。将来に少しでも負担を残さないためにも更なる改革を、スピード感をもって行っていく必要があります。だからこそ、市長の残り任期であり、責任を持って自ら指揮を執る集中改革期間の間に、徹底した改革を更に進めていただきたく存じます。

今回の予算案では多くの市民サービスの見直しが示されておりますが、改革にあたっては市民生活への影響が多分にあることからも、まずは行政内部の改革を本気で徹底し、覚悟を示さなければ、市民の方々からの納得感は到底得られるものではありません。そういった観点から2点質疑いたします。

まず1点目は、本市の人件費に関してです。昨年の11月市会において可決されました、京都市職員の給与の額の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定についてでありますが、改めてその意味を考えていただきたいと思います。本条例は令和5年度までの3年間の集中改革期間に、職員の給与カットを総額50億円行うことに関する条例改正でありました。この改正内容は、人事委員会から人件費削減の勧告がなされたことに伴い、人事委員会勧告による給与改定分24億円を含め、50億円を捻出した時点で、給与カットを終了するというものでした。毎年実施している人事委員会勧告に倣って行われる給与改定分を改革の中に含めるということは、言い換えれば、給与を50億円カットすると市民の方々に発表しながら、実際には26億円に規模を縮小させているということになります。市民サービスの見直しが進む中、職員の給与カットが当初の予定よりも縮小されて終了することに本当に市民の方々は納得されているのでしょうか。身内に甘い中途半端な改革では市民の方々は納得されません。人事委員会勧告による給与改定分を含めない、当初計画されていた自力での50億円の給与カットは最低でも実施していくべきです。市民の方々への負担を強いる前に行政内部の改革を徹底的に行い、改革の途中で外的要因等により当初より計画が上振れしようとも、改革のスピードを緩めず、徹底すべきです。市長は、特別の財源対策からの脱却を目指し、将来世代への負担の先送りをなくしていくべきだと謳ってらっしゃる一方で、なぜ市長は今回この改革幅で良しとされたのでしょうか?市民の方々が納得できる理由をご説明していただきたいと思います。

次に、改革を行う覚悟を示す上で、市民の方々から重要な指標として捉えられ、関心の高い、市長の退職金についてお聞きいたします。
市長の退職金は任期ごと、つまり1期4年ごとに退職金が出ます。市長は現在4期目でございますから、市長としての退職金を計4回受け取られる予定です。退職金のおよその額は、1期目が4069万円、2期目が3536万円、3期目が3402万円、4期目が予定として3402万円、合計すると1億4000万円を超えます。これは市長としての退職金の合計です。しかし、門川市長におかれましては、市長の退職金以外にもすでに退職金を3度受け取っておられます。市長は、市長となられる以前は教育長をされておられました。教育長は2期お務めになられているので、この時にも2回退職金を受け取られています。教育長の退職金の1期目が1096万円、2期目が712万円であり、その合計は約1800万円です。さらにですが、教育長の前は教育次長をされておられました。教育次長、これは市役所での役職でいうところの局長級に当たります。門川市長が教育次長を退職された当時の本市の局長級の平均の退職金というのが3800万円ほどでしたので、大体同じような額を受け取られたと推察されます。つまり、現在市長は、市長としての退職金は2期目分まで受け取られているので、教育長の時の2期分と教育次長の時の退職金を合わせると、すでに計5回の退職金を受け取られており、その総額は1億3000万円になります。さらにまだ受け取られていない3期目と4期目の市長の退職金を受け取ることとなれば、合計7回、総額2億円近くもの退職金を受け取ることとなります。

市長の退職金に関して、市の答弁では以前から「地方自治法及び本市条例に基づき,在職中の功績ないし功労に対する報償として支給しているものであり、一般的な制度である。」などといった答弁をされておられます。確かに条例などで決められ、それらに基づいているとしても、これほどの退職金を受け取ることを市民の方々が本当に納得されるでしょうか。

市長は、「特別の財源対策からの脱却を最大のテーマとして4期目に挑戦した。これを成し遂げるのが一番大事な仕事だ。」と仰られています。そうであれば、しっかりとその目標を成し遂げた上でなければ市長の責任を果たしたとは到底言えません。責任を感じ4期目に挑まれたのであれば、しっかり残りの任期に責任を果たしていただきたいと思います。来年度から、財政難による多くの市民サービスの見直しが始まり、あらゆる局面で市民生活への影響が如実に出てまいります。今のこの京都市の現状を作り上げてしまった張本人でありながら、本当に市長は6回目、7回目の退職金を受け取られるのでしょうか。受け取られる場合、ではどういう根拠で受け取られるのでしょうか。市民の方々が納得できるご答弁をお願いいたします。

最後にコロナ禍における学校のオンライン授業についてお聞きいたします。新型コロナの第6波では全国的に感染者数が急激に増加し、京都市でも一日に2000人を超える方が感染される日もありました。また今回の第6波では子供たちの間で感染が急増し、京都市内でも10代以下の感染者が1月中旬以降から全体の30%以上となりました。市立小中学校では、3学期開始以降、多くの学級閉鎖が起こりました。3学期に入ってから先月10日までに学級閉鎖を実施した小学校は、全体の96%にあたる148校、中学校でも96%にあたる62校と、ほぼすべての小中学校で学級閉鎖が起こりました。以前に比べ、この第6波では学校という教育現場への影響が多大であったと言えます。そんな中、学校によって学級閉鎖となった場合の対応に差が生まれました。以前からも度々指摘しておりますが、オンラインでの対応が出来ている学校と出来ていない学校の対応の差がさらに明らかとなったのです。保護者の方々からは連日のように、オンライン授業での対応をしてくれませんといったお声が私たち会派に届きました。詳しい状況をお聞きすると、オンラインでの対応ができていない学校では、教職員の方々がプリントを児童生徒の自宅まで届けにいったり、学級閉鎖の間、1週間教科書とノートで自習するだけのところもあったようです。

正にこういった事態に対応するために、京都市では、端末を1人1台配備し、ネット環境がないご家庭のためのLTE端末も早期に配備されてきました。さらに、昨年9月の補正予算においては、国の臨時交付金を約17億円計上し、教員用の高性能な配信用端末を8000台配備し、こちらは3月末には各学校に配備される予定です。国の臨時交付金は、医療機関の支援,まだまだ厳しい中小企業・小規模事業者の支援の拡充などに計上することもできたわけですが、学級閉鎖や登校不安のためのオンライン授業配信の必要性高まりや、コロナ禍でも子供たちの学びを止めてはいけない、ということで多額の予算が計上されたわけです。財政が厳しい中、多額の予算をかけ整備したのであれば、しっかりと活用しなければ、市民の方々からは無駄遣いだと言われかねません。

そこで今回の反省として、教育委員会におかれましては、今後の更なる感染の拡大や自然災害の際の備えとして、十分な検証と事前準備を実施すべきだと考えます。まずは、各学校現場におけるオンラインの対応の状況を認識されるところから始めるべきです。今回の第6波においてオンラインで対応できなかった学校は何校あったのか、なぜ対応できなかったのか、そういった部分を把握していただきたいと思います。個別の事情として、オンライン授業に対応できる先生が感染された、もしくは濃厚接触者となられ、オンラインでの対応ができなかった学校もあったようです。しかし、対応できない先生がいること自体を問題と捉えるべきであり、今後は誰でも対応できる体制を構築していかなければなりません。具体的な方法として、教育委員会が各学校に対し、アンケートを行い、各学校ごとの課題を把握し、各々に適切なサポートを責任を持って行うべきと考えますがご見解はいかがでしょうか。

さらに、今後は避難訓練のように事前に訓練を行うことを提案いたします。例えばオンライン授業参観などから各学校で学級ごとに順次実施し、一度はどの学校、学級でもオンライン配信の経験をし、そこで問題点を抽出し改善していくというプロセスを踏めば、いざという時の備えになるのではないでしょうか。実際、寝屋川市では事前の訓練を行っていたことで、スムーズに各学校で導入できております。学級閉鎖となってから慌てるのではなく、日ごろから対応に備えておくべきです。併せてお答えいただきたいと思います。公教育において差があるのは是正していかなければいけません。よろしくお願いいたします。

以上で私の質疑を終わらせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。

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