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代表質問 森かれん議員(2019年9月議会)

 上京区選出の森かれんです。地域政党京都党市会議員団を代表し、村山祥栄議員に引き続き質問いたします。私からは「子育て世帯に対するきめ細かい政策の推進」について市長に対しお願いしたいことがございます。

京都市は従前より国基準での待機児童数0を達成し、保育所の定員増加や幼稚園での預かり保育の充実などについては政令市でもトップレベルの水準を保っておられることについては敬意を表しております。私は平成29年に長女を出産して以来、「任期中に妊娠・出産を経験し、子育ての当事者である議員」として京都市内で子育てをされる保護者の皆様から数多くの貴重なご意見を頂戴する機会に恵まれました。子育て中に感じる不満は多種多様ですが、限られた予算の中で実現可能な政策を一つ一つ積み上げていくことによって少しでも不満の種を解消していくことこそ、今求められている市政課題であると考えます。  

すでに保育については473億7千万円という巨額の経費を要しておりますが、京都市において20~40代の子育て世帯が転出超過になっていることからも、「子育て世帯に選ばれる街」にはまだなっていないと言えます。一方で、子育て政策に手厚いと評価される自治体については流入が見られることからも、「子育て環境日本一」という自身で掲げた看板にあぐらをかくのではなく、他都市の先進事例は積極的に事例研究・導入をしていただき、「子育て環境の更なる向上」に取り組んでいただきたいと思います。

まず初めに、京都市の保育所、幼稚園に関する情報公開についてお尋ねいたします。総務省が発行した「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によりますと、平成29年時点でスマートフォンの利用率は20~40代では9割を超え、「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」という質問項目についての20代の回答で一番割合が大きかったのは「テレビ」を抜いて「インターネット」であった報告されています。インターネットがこれほどまでに若い世代に信頼できうるメディアとして支持をされているということは京都市の公式HPの役割がより一層大きくなっているということであります。しかし、保育に関する情報公開については「まずは居住地のある区役所に行って相談に来てもらう」ということが前提であるため、公式HPは利用者目線に立った情報公開とは程遠いコンテンツになってしまっています。特に保活に関しては「区役所が開所している時間帯に時間を作って赴くことのできる人ほど有利」なのが現状であり、できるだけ体を休めることに専念すべき妊娠中・産後の期間に区役所に通って情報収集しているのが多くの保護者の実態です。必要な情報全てをHPで公開すれば、そういった情報量の格差を是正するだけでなく、子育て環境で選ばれる街になるための重要な一歩になると考えますがいかがでしょうか。

次に希望する保育所の施設指数の公開についてお尋ねします。京都市はより公正な保育所への入所を目指すべくポイント制を実施されています。世帯の入所指数が高いほど「より保育が必要」とされる制度でありますが、せっかくポイント制が導入されているにもかかわらず、「基本指数+調整指数によって構成される自分の世帯のポイント」について自己採点はできても、届けを出すまで正確に分からない」という点や「自分の入りたい保育所が何点から入ることができるのか」という目安すら分からないというのは問題です。現在京都市では一次面接で入所保留になった方には「自分の指数」と「入所希望施設のボーダーの点数」を提示されていますが、特に激戦区と言われるエリアにお住いの方は「通わせられる範囲内で確実に入所認定をされるところを選びたい」という想いが強く、入所保留になってからお知らせするのではなくあらかじめその施設が過去何点以上で入所できたのかを知ることができれば、保留にならないようほかの園も検討したという方も多いのではないでしょうか。年度によってボーダーが変動することは承知の上ですので、前年度ボーダーだけではなく過去3年間のボーダーを提示するなどの保護者から見ても「年度によってばらつきがある」ということをご理解いただいた上で公開することは保育所選びのミスマッチを防ぐ上でも重要ではないでしょうか?自分の努力だけでは基本指数や調整指数を上げるのにも限界があります。どの世帯も納得のいく保育園選びができるということが大切だと思いますが市長の見解をお聞かせください。

 次に他都市並の保育認定通知についてお尋ねします。京都市の一斉入所については、以前は子どもが生まれてからしか申請受付がされておりませんでしたが、出産予定日から仮申請が行えるようになったことは大きな前進であります。しかし、保育認定通知が他都市に比べて遅いということについては保護者から不満の声が上がっています。早く結果が出た場合は2月中の一次発表が行われることもあるようですが、公式には1次の結果が3月の初旬、2次の結果が3月下旬に発表となっています。締め切り期日を11月末にすることによって、転勤等で京都に転入される方が不利にならないようにとの配慮をしていることも要因の一つですが、最大の理由は「一斉面接の実施による丁寧なマッチング」であることについては承知しております。しかし、本当にその点だけが3月上旬の一次結果発表になる理由なのでしょうか。実際、面接の中で書類に記載されている指数が本来の家族構成と相違があることによる修正書類の再提出や、入所希望の園が1か所か2か所しか書かれていない場合、「もっと希望園を増やしていただけませんか?」というようなお願いを現場ではしておられるようです。こういうことは面接時ではなく、もっと事前にできないものでしょうか?一斉入所の場合、4月の入所、4月の職場復帰を目指される方が大半の中で職場に復帰できるかどうかがギリギリまでわからないのは死活問題です。育児と仕事の両立を目指すお母様方から「職場から、ちゃんと復帰できるのかと上司から詰められる」という声が多く寄せられています。企業側も適切な人員配置をする上で、予定通り復職できるかは重要事項です。丁寧な入所審査を行うことはもちろん大切なことでありますが、2次の結果が3月下旬というのはいくら何でも遅すぎます。少なくとも2月中にはすべての結果発表を終わらせ、復職の手続きや入園準備については余裕をもって行っていただけるよう努めるべきです。

先ほども申し上げた通り、一斉入所のフローの中で短縮できる部分があるとすれば「事前のすり合わせ」であろうかと思います。未だに「入所希望欄に複数ヵ所記入すると第一希望に入れないから本命しか書かないほうが良い」といった噂や「指数を上げるのは面接で言ったもの勝ち、書類を書いたもの勝ち」といった真実でない情報が保護者の中で出回っています。東京23区の一部の区ではすでに行われている「事前の保育所利用申請説明会」を多くの保護者が参加しやすい平日の夜ないしは土日に各区役所で開催するなどし、面接までに書類提出の注意点や事前確認などを行うことも必要なのではないでしょうか。一斉入所に関しては面接以外のフローの中で無駄な時間が発生していないか今一度総点検を行い、一日も早い結果通知が行えるように最大限の努力をすべきと考えますが市長の見解をお聞かせください。

 次に保育所、幼稚園の入学前費用の費用公開についてお尋ねいたします。今月から幼児教育無償化により、多くの3~5歳児の保育料が無償となります。しかし、入学前費用や副食費については入所する園によってばらつきがあります。もちろんその園の理念や考え方が大きく反映されるものであり、お遊戯に力を入れる園、絵画に力を入れる園など何にいくらの費用が掛かるかは必ずしも統一されるものではありません。現在京都市では保育所に関しては「公開シート」をHP上に掲載し、入園後の費用について公開をしておられます。しかし、よく見るとすべての園が同じように副食費あるいは制服購入費などを掲載しているわけではなく、任意での公開となっています。保育料の負担軽減はされても、これらの費用は自己負担です。本来であればこういった費用軽減についても対策が必要であろうかと思いますが、今の京都市の財政状況では厳しいため、まずは、京都市内の保育園・幼稚園の入学前準備費がいくら必要なのかという点についても一覧で分かりやすく示すことによって、「少しでも保育料を安く抑えたい」というニーズに対して、選べる選択肢を増やすべきであると考えます。一覧にして公開するだけなら費用もほとんどかかりません。すでに明石市では一覧での入園準備費用の情報公開に踏み切っています。すぐにでも取り掛かるべきだと考えますが市長の見解をお聞かせください。

 次に使用済み紙おむつの処理費用負担についてお尋ねいたします。保活をする中で「使用済みおむつを降園時に持ち帰る園が約半数である」という話を聞いたときは驚きを隠せませんでした。今でも方針として布おむつを採用されている保育園もありますが、大半の保育園は紙おむつを採用されています。保育園から保護者に対して「お子様の便の状態をご確認いただくためにもお持ち帰りください」と言われますが、私が普段接する保護者の方で「ビニールに入ったおむつを開いたことがある」という人は聞いたことがありません。「なぜ持って帰らなきゃならないの?」という疑問を抱いていても「そういうものだから仕方がない」とあきらめているだけであって、子どもの体調面で気になる点があるのであれば、連絡帳にその旨を知らせることで事足りると考えられます。

国の示す指針では「使用済み紙おむつは蓋つきのゴミ箱で管理をすること」としか書かれていないため、今の持ち帰りのシステムについて問題がないという理屈につながっているようですが、保管されている間や帰宅するまでに菌が繁殖していることは事実であり、不衛生であるのは間違いありません。トイレでおむつを替えるたびに○○ちゃんのごみ箱に捨てるということは仕分けをする保育士にとっても負担が大きいのではないでしょうか。現場での保育士不足は深刻化しているのは周知のとおりですが、給与面だけでなく、負担軽減という観点からも保育士にとっても保護者にとってもメリットを感じないということについては改善をしていくべきではないでしょうか。保育園側にとって一日に大量に出るおむつを保管しておくスペースやその処理費用が大きくのしかかるという事情は分かりますが、自園で処理している園もあることからも、処理費用負担を行政で行うことができれば、保育園にとっても保護者にとっても喜ばれるのではないでしょうか。

豊島区では、区立・私立の認可保育所や地域型保育事業など計103施設に原則週3回、委託業者が巡回しておむつを回収することにしており、当初予算は約1300万円でした。この動きは全国に広がっており、広島市や岐阜市でも公立園で導入が始まっています。京都市内には大小合わせて414施設ありますので、今すぐ全ての園で回収は難しいかもしれません。一部導入も含め検討を行うべきと考えますが市長の見解をお聞かせください。

結びに子育てに関する書類の電子申請の導入についてお尋ねします。インターネットやスマートフォンの普及により20~40代の世代は特に申請に関してWeb上で行うことに抵抗がありません。確定申告なども電子申請が推奨される時代ですし、妊娠・子育てに関する申請書も紙ベースから電子申請に徐々に切り替えていくことは世の中の流れとして自然のことであると感じます。特に保育利用申請こそ電子申請が主流になってしかるべきものであると考えます。大量に各区役所へ提出される紙ベースの申請書は本庁のセンターへ送られ、入力作業が行われていることからも、電子申請が導入されるようになればその分の作業工数は確実に減ります。また電子申請を活用すれば必須事項の部分に入力がない場合は必ずシステムでエラーが表示されるため記入漏れを防げるというメリットもあります。すでに国のマイナンバーに紐づいた電子申請は一部始まっていますが、マイナンバーカードが市内で15%しか普及していないことや、ICカードリーダーが必要ないしは申請に対応しているスマートフォンの機種が限られているなど、まだまだ課題があります。一方、京都市ですでに構築をされている「電子窓口サービス」については、京都府自治体情報化推進協議会に対して京都市も年間約1400万円の負担金を支出し、京都府および市内市町村との共同によってシステムが運用されています。現在京都市では宿泊税の申告等に活用されていますが、このシステムに子育てに関する申請を追加していくことによって拡充が図れるのではないでしょうか。実際に千葉市でも同様の仕組みで運用されている「千葉市電子申請」についてはラインナップを増やしており、子育てに関してだけでも「出生通知書」や「保育利用申請」、「保育所の虐待等通報受付フォーム」などが設けられています。一からWeb上に入力フォームを構築するのには時間と費用が掛かりますが、今現在あるシステムを活用し、ラインナップを増やすことは行政サービスの向上につながると考えますが市長の見解をお聞かせください。

以上で代表質問を終えます。ご清聴ありがとうございました。

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